銀行員の転職のコツとは?年代別におすすめの職種や注意点を解説!
最終更新日:2023年09月01日

金融業の中でも人気がある銀行員は転職を考える人は少なくありません。
同じ業種から異業種まで、転職先の選択肢はたくさんあります。
転職を成功させるなら銀行員としてのスキル・経験を活かしたいと考えますよね。
「ノルマが厳しい」
「将来が不安」
転職を考える理由は様々です。
この記事では、銀行員の転職を成功させるポイントや注意点を年代別のおすすめ職種と併せて解説していきます。
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銀行員から転職を考える人は多い!
社会的信用度が高い銀行員は、金融業界の中でも人気がある職種の一つです。
しかし、銀行員から転職を考える人が多いのも現状です。
年代を問わずに転職を考える人が多いのはなぜか。
まずは、銀行員と転職の理由などを見ていきましょう。
金融・保険業の離職率は入職率を上回っている
厚生労働省の平成31年3月卒業者の調査で、新卒の離職率の方が高いことが明らかになっています。
入職後に3年以内の離職率の集計では、新規高卒離職者は29.5%で、新規大卒離職者は25.1%です。
金融業界・保険業界全体では、過去5年間を見ても入社率よりも離職率が上回っています。
ノルマ・残業など、想像していたよりも厳しい職場だったというのも一つの理由です。
銀行側も現状を把握し、働き方改革などで環境を整えてきています。
令和2年には入職率が上回っているため、柔軟な対応してきているとも考えられますね。
年度 | 入職率(%) | 離職率(%) |
---|---|---|
平成29年 | 9.5 | 11.8 |
平成30年 | 10.4 | 11.1 |
令和元年 | 8.2 | 10.7 |
令和2年 | 8.1 | 7.7 |
令和3年 | 6.2 | 9.3 |
銀行員の転職を考える理由
銀行員が転職を考える主な理由は次の6つです。
- 銀行の将来性を見たときの不安
- ノルマ厳しく、達成が難しい
- 資格取得に時間を取られる
- 給与・評価に対する不満
- 転勤が多い
- 人間関係が上手くいかない
銀行の将来性を見たときの不安
大手銀行をはじめ、店舗削減を目標としている銀行が多いです。
実際に日本三大メガバンクの一つ三菱UFJ銀行では、200店舗削減を目標としています。
三菱UFJは、17年度末時点で515店あった従来型店舗のうち、200店を23年度末までに削減することを決めている。
また、24時間365日いつでもweb上で手続きができるネットバンクの人気が高まっています。
他にも、AI導入による人員削減も懸念されています。
店舗削減などにより、リストラをされてからの職探しを考えると、早めに転職した方が良いと考える人が多いです。
ノルマ厳しく、達成が難しい
銀行員は金融商品などのノルマが課せられるため、ノルマ達成ができずに転職を考えるケースもあります。
融資や金融商品は他社との差別化が難しいため、契約に結び付けるまでに苦戦してしまいます。
ノルマ廃止としている銀行も、個人目標を設定しているため数字に追われてしまうのが現状です。
特に経験の少ない若手の場合には、苦戦を強いられてしまい精神的に参ってしまう人も少なくありません。
資格取得に時間を取られる
銀行員は金融商品を取り扱うため、資格取得が必要になってきます。
主に求められるのは、以下の資格です。
銀行員として必要とされる資格
証券外務員生・命保険募集人・損害保険募集人・証券アナリスト・銀行業務検定・ITパスポート・日商簿記・ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士
証券外務員生・命保険募集人・損害保険募集人は、特定の業務を行う上で必要な資格です。
必要に応じて段階的に資格取得をしなければいけなかったり、入社してから1年以内の取得が必要な場合もあります。
そのため、資格取得のための勉強に追われ負担に感じる人もいます。
給与・評価に対する不満
昇給・昇進などの評価に対しての不満を感じる人もいます。
特出した結果が出せない場合には横並びになっていることが多いため、頑張りの即時反映を望む人にとっては妥当ではないと考えてしまうわけです。
また、年功序列制度が強い銀行では、仕事で成果を出しても昇進が難しいのも転職の理由の一つです。
年功序列制度が無くなってきている銀行もありますが、影響は現在でも残っています。
転勤が多い
特定の企業・顧客との癒着防止の観点からも、銀行員は転勤が多いのが特徴です。
地方銀行や信用金庫の場合には一定の地域での転勤ですが、大手銀行などの場合には全国各地に転勤で移動する形です。
平均2~3年で転勤するため、結婚して子供のいる家庭の場合には負担があります。
独身の場合にも、転勤が多く自分の時間を有意義に活用できないと考える人もいます。
また、歓迎会や送別会などを負担に感じる若い世代が増えているのも転職の理由です。
ストレスを感じてしまう
銀行は良くも悪くも上下関係がはっきりとしています。
数字で結果を見るため、キツく言われることもあるでしょう。
人間関係におけるストレスは、健康状態に影響を与え仕事が出来なくなる可能性もあります。
そのため、多少は我慢ができても人間関係や上下関係の負担により転職を考えるわけです。
プロセスではなく結果を重視する場合には、同僚との比較も強い場合があります。
上野言葉は絶対の上下関係においては、意見するのも難しくなりますね。
転職するべき銀行員と考え直すべき銀行員の違いとは?
転職は仕事の悩みを解決するための一つの方法です。
必ずしも転職で成功するわけではありません。
銀行に残る方を選択するべき人も少なからずいます。
そこで、転職するべき人と考え直すべき人の特徴から違いを見ていきましょう。
転職を考えるべき銀行員の特徴
次の2点に該当する場合には、銀行業務がストレスになる可能性が考えられます。
- ライフワークバランスを考える人
- クリエイティビティを求める人
転勤が多いことも含め資格取得も必要な銀行では、多くの時間を割かななければいけない状況におかれます。
ライフワークバランスが崩れてしまうため、自分の時間を大切に考える人は銀行からの転職を考えるべきでしょう。
また、勤務先の銀行によってはパソコン入力などの単調作業が続きます。
そのため、クリエイティビティを求めるなら異職種を選択する方が仕事を楽しめますね。
転職を考え直すべき銀行員の特徴
転職を考え直すべきなのは以下の銀行員です。
- 新卒1年目での転職
- 30代以上での未経験転職
新卒1年目の場合には、仕事の経験が浅いのが特徴です。
転職先で「何かあったらすぐに辞めてしまう」と考えられてしまい、転職先がなかなか決まらない状況になる可能性が高いです。
そして30代に入ってからの未経験の業種への転職が難しくなってしまいます。
同じ金融業界での転職なら経験を活かせますが、異業種では収入面を含め折り合いがつかなくなることが多いです。
そのため、新卒1年目や30代以上で未経験業種に転職を考えている場合は、時期をずらしたり業種の選択肢を変更する方が成功率がアップします。
銀行員として続けるべき人
- 労働条件が恵まれている人
- 安定を考える人
労働条件が恵まれている場合には、銀行内での地位や給料面でも満足しているなら残るべきでしょう。
組織に属している方がやりがいを感じる場合も残っていた方が、力を発揮できます。
上に昇っていくことに喜びを見いだせる可能性もありますね。
また、銀行は収入面も含めて社会的信用度が高く安定しています。
公務員と同じく安定している業種になるので、そのまま銀行員でいる方がいいかもしれません。
銀行員が転職活動をする時に行うべきこと
思い立ってすぐに転職できるほど、転職活動は簡単ではありません。
転職先を探したり面接をしたりと、転職先が決まるまでの道のりは長いです。
転職活動をする前にやっておくべきことは2点です。
明確な転職理由を持つ
転職活動をする場合に一番大切なのが、「なぜ転職したいのか」を明確にすることです。
しっかりと自分を見つめ直し転職理由を明確にすることで、一時の感情による転職を防ぐことができます。
また、転職理由は面接時に必ず質問される項目と考えておきましょう。
事前にしっかりと明確にしていれば、面接時の受け答えもスムーズにできますね。
情報収集は徹底して行う
転職理由が明確になると、どんな職場で働きたいかやどんな仕事をしたいかも具体的に見えてきます。
希望に沿った転職先を探しやすくなります。
自分の考えていた仕事とは違って、転職したことを後悔しないためにも、あらゆる方面から情報収集をするようにしましょう。
情報収集をすることで、希望の転職先を比較して見ることができます。
現在勤めている銀行との比較もできるため、待遇の違いなどのリスクも事前に知ることができます。
転職エージェントを活用する
転職先を探したり履歴書の書き方などを独自で行うよりも、転職エージェントを活用する方が転職の成功率を上げる事ができます。
キャリアアドバイザーが相談に乗ってくれるため、希望に沿った転職先の候補を見つけやすいです。
企業別のアピールポイントなども相談に乗ってもらえるので、面接時の対策もできます。
銀行員の転職先で選ばれる業種
銀行員を積極的に採用していたり、転職先で選ばれやすいのは主に以下の職種です。
- 公務員
- 不動産
- M&A
- 経営コンサルタント
- 他金融
- ベンチャー
- フィンティック
銀行と同じで社会的地位や安定さがあることから、転職先で一番多いのが公務員です。
公務員はノルマや転勤がないため、ライフワークバランスを保てるのが魅力です。
銀行で不動産融資を経験している場合には、不動産関係への転職は有利に働きます。
また、M&Aや経営コンサルタントは、積極的に銀行関係者を採用しています。
ベンチャー企業では経理責任者として銀行員が働くケースが多く、フィンティック業も金融業出身に積極的です。
お金に関するプロとして働いていたからこそ、色々な業種で活躍できるため、転職の選択肢は広いと言えますね。
銀行員に向いている年代別転職先は?
銀行員の転職先には選択肢が多いですが、年代によって転職の難易度は変わってきます。
どの年代で転職をするのかで、それぞれの選択肢を見ていきましょう。
20代の銀行員
主な転職先
経営コンサルティング・不動産・Web業界・公務員・IT業界・M&A・ベンチャーなど
20代で転職を考える場合は転職先の選択肢が多く、どの業界でも転職がしやすいです。
金融業の経験を活かせば、年収を上げることも可能です。
23歳~26歳までの転職の場合には、第二新卒枠で採用を狙うこともできます。
ただ、最低でも3年は銀行で勤めていないと、継続性の信頼を取るのは難しいです。
将来プランを見据えて、キャリアアップを狙えるのも若い20代がチャンスとも言えますね。
30代の銀行員
主な転職先
クレジットカード会社・外資系金融機関・他金融業・証券会社・M&Aなど
30代に入ってからの転職では、20代よりも求められる点が異なります。
即戦力を基本とした採用が求められるため、未経験の業種や金融業の経験やスキルを活かせない業種は難易度が高いです。
その意味では、同じ金融業界での転職が有利ですね。
銀行員から他銀行に転職するのではなく、保険やクレジットカード会社など金融業界にも色々あります。
同じ業界の場合には、極端に年収が下がってしまうのを避ける事も可能です。
40代・50代の銀行員
40代や50代での転職のハードルは、かなり高くなってしまいます。
マネジメント性など専門的な分野での活躍が求められるため、未経験での出発は難しいと考えておきましょう。
給与面での折り合いがつかなく、転職先を見つけるのが難しいケースも少なくありません。
ただし、同じ金融業界なら経験を活かした活躍が可能です。
また、これまで培ってきた人脈を駆使して転職するケースも一つの選択肢ですね。
銀行員が取得する資格は転職に有利になる?
銀行員として必須取得や必要に応じて求められる取得があるため、転職に役立つ資格を取得しています。
ただ、資格を強みにできるのは業種によって異なるため、銀行員で取得した資格の見直しも大切です。
日商簿記
お金に関わる仕事を業務としているため、日商簿記を必須としている銀行が多いです。
銀行員の多くは簿記2級を取得しているため、経理事務や会計事務所などへの転職を考える場合には強みにできます。
他の銀行員との違いをアピールする場合には、簿記1級を取得しておくのも一つです。
証券外務員
銀行で働き始めると半年以内に取得するのを求められるのが、証券外務員の資格です。
二種外務員資格を有している場合には、株や債券などの金融商品の取扱いが可能です。
一種外務員資格の場合には、信用取引なども行えます。
他銀行や証券会社などを転職先に考える場合には、証券外務員の資格を強みにできます。
ファイナンシャルプランナー
保険・証券・年金など幅広い知識が必要となるファイナルプランシャーは、国家資格と民間資格の2種類があります。
主に銀行で取得を求められるのは、国家資格のファイナルプランシャー2級です。
転職で求められる2級を有している場合には、証券会社や保険会社・証券会社で求められる資格です。
銀行員の転職の注意点は3つ
転職を考える場合に注意するのは3つです。
スムーズな転職を行うためにも大切な点があります。
注意点①転職先によっては年収が下がる
銀行は高収入のため、業種の中でも年収が高いのが特徴です。
そのため、転職を機に年収が下がってしまう可能性は高い点に注意しましょう。
銀行員の年収が下がることに抵抗がある人は、同じ金融業界を中心に転職活動をするといいでしょう。
また、銀行に残って頑張ることも選択肢の一つですね。
注意点②銀行員としての経験・スキルが活かせない職種もある
銀行員の強みは数字に強いことやお金に関するプロであることです。
しかし、必ずしも銀行員の経験が役立つわけではありません。
自分が強みにできる経験やスキルを整理しておくと、転職時のアピールに利用できます。
また、経験やスキルを活かせる転職先を見つけやすいです。
注意点③銀行に残る場合も考慮してバレないように転職活動をする
転職活動は銀行を辞める前に行うのが一般的ですが、転職活動を開始したばかりの時は銀行に残る可能性もあります。
銀行に転職活動をしているのがバレてしまうと、転職先が見つからないなどで残ることを決めても働きにくくなってしまいます。
人事異動の対象になってしまうケースも考えられますね。
同僚や仲の良い友達だとしても、人の口には戸は立てられません。
どこで話が漏れるかはわからないため、注意しながら転職活動を行いましょう。
銀行員が転職の面接成功のポイント
転職活動を成功させるためには、面接でのアピールによって変わると言っても過言ではありません。
転職時の採用見送りの主な理由は次の2点です。
採用見送りの主な理由
- 外部要因を理由に転職している
- 経験や知識が不足している
転職理由となった問題に対して何もアクションを起こさずに転職を選んでいて、面接時に説明ができない場合には「逃げ」と判断される可能性が高いです。
つまり、雇用しても同じような問題にぶつかったら、また転職すると捉えられるというわけです。
その点も踏まえた受け答え路同時に、どのような業務で顧客との間に起こった課題解決をしたかのアピールもできるようにしましょう。
企業に合った資格・経験を有している場合には、数字・目標達成意欲を含めた実績をアピールすることで好印象を与えられます。
また、企業によって伝え方のニュアンスは変える必要がある点も覚えておきましょう。
銀行員におすすめの転職エージェント5選
最後に、銀行員の転職におすすめの転職エージェントを5選紹介します。
それぞれ強みや求人数の違いがあるため、複数社利用するのもおすすめです。
マイナビエージェント
マイナビエージェントは、2023年オリコン顧客満足度で1位を獲得しています。
2023年6月時点で、求人総数63,571件・非公開求人18,111件と圧倒的な求人数があるのが特徴です。
キャリアアドバイザーは業界ごとの専任制となっているため、希望業種に特化したアドバイザーが相談に乗ってくれます。
また、人事担当とやり取りをしているアドバイザーも在籍しているので、求人情報ではわからない部分も確認できます。
特に20代や30代の転職に強いので、迷った時には登録してみるのも一つです。
公式サイト
ビズリーチ
30代や40代のミドル世代の転職に強いのがビズリーチです。
スカウト型になっているため、他の転職エージェントでは求人がないような希少な求人と出会える可能性があります。
また、高年収での転職実績を持っているため、銀行員としての市場価値を知りながら年収アップも狙えます。
公式サイト
doda
約20万件近くの求人数を持つdodaも、転職先を見つけやすいです。
面接対策などの転職サポートが充実していて、転職成功実績も豊富です。
企業と出会える転職セミナーなどのイベントも開催されています。
特にエンジニアや営業職などに強いため、希望する場合には登録しておきたい転職エージェントです。
公式サイト
コトラ
ハイポジションでの転職を希望する場合におすすめなのがコトラです。
年収1,000万以上の求人が5,000件以上揃っているため、キャリアアップを狙った転職が可能です。
スキルや経験・可能性を徹底的に分析して、業界出身者のアドバイザーが案件を紹介してくれます。
面接対策やレジュメ添削などのサポートも行ってくれます。
公式サイト
リクルートエージェント
業界NO1の求人数を誇るのがリクルートエージェントです。
豊富な求人から転職先を見つけられるため、比較して厳選することが可能です。
今すぐの転職でなくても相談ができるため、キャリアプランを見直すこともできます。
サポート面も充実していて、自分ではわからないアピールポイントなども見つけて求人を紹介してもらえます。
面接対策なども行っているため、転職を考え始めたときには相談してみるといいでしょう。
公式サイト
まとめ
銀行員から転職する場合には、最低でも3年間の実務経験をしている方が転職を有利に運べます。
銀行勤めで有した資格・経験は、業種によっては、上手く活用できるためキャリアアップを狙う事も可能です。
しかし、しっかりと面接対策などを行っていないと、転職先の選択肢が多くても失敗に終わります。
失敗を避けるためにも、転職エージェントを利用して転職活動をするのがおすすめです。
複数社を併用することで、より多くの求人を比較できます。
銀行員からの転職を考えている人は、ぜひ当記事を参考にしてみてください。